黄疸

例題1 (91E-28)

52歳の男性。皮膚の黄染に気付き来院した。血清生化学所見:総ビリルビン6.0mg/dl、直接ビリルビン4.8mg/dlGOT 88単位(正常40以下) GPT 40単位(正常35以下) γ-GTP 80単位(正常850)、アルカリホスファターゼ860単位(正常260以下) 。最も考えられるのはどれか。

a急性ウイルス肝炎

bアルコール性肝炎

c自己免疫性肝炎

Gilbert症候群

e下部胆管癌

 

問題文の分析

  1. データの特徴は何か?

  2. それぞれの選択肢はどのタイプの黄疸に相当するか?

 

例題2 (92E-31)

76歳の女性。家族に黄疸を指摘されて来院した。腹部に腫瘤を触知しない。血清生化学所見:総ビリルビン8.0mg/dl、直接ビリルビン5.2mg/dl GOT 92単位(基準40以下) GPT 126単位(基準35以下) γ-GTP 402単位(基準850)、アルカリホスファターゼ880単位(基準260以下)。病変部位の診断に有用な検査はどれか。

 

@腹部超音波検査

A腹部エックス線単純撮影

B静脈性胆道造影

CERCP

D経皮経肝胆道造影

 

a@AB b @AD c @CD

dABC e BCD

 

問題文の分析
  1. それぞれの検査の特徴は何か? どんな場合に行うか?
  2. D経皮経肝胆道造影を行う際、どんなことに留意するか?

 

例題3 (91F-24)

53歳の女性。6か月前に胆嚢結石症で胆嚢摘出術を受けた。2日前から心窩部痛があり、昨夜から39℃の発熱が持続するので来院した。体温39.2℃。脈拍94/分、整。血圧102/64mmHg。意識は清明。眼球結膜に軽度の黄疸を認める。腹部はやや膨隆し、心窩部と右上腹部とに圧痛および抵抗を認める。肝、脾は触知しない。赤血球413Hb 10.7g/dl、白血球12,800、血小板16万。血清生化学所見:総蛋白6. 8g/dl、アルブミン3.8g/dl、総ビリルビン4.2mg/dl、直接ビリルビン2.7mg/dl、アルカリホスファターゼ1,042単位(正常260以下) ,アミラーゼ4,690単位(正常37160) 。腹部造影エックス線CT と十二指腸内視鏡写真とを下に示す

wpe3.jpg (12289 バイト)

 

 wpe1.jpg (22862 バイト)  

適切な治療法はどれか。

a経皮経肝胆管ドレナージ

b内視鏡的乳頭切開術

c腹腔鏡下総胆管切開術

d総胆管空腸吻合術

e膵頭十二指腸切除術

問題文の分析
  1. 胆嚢結石症で胆嚢摘出術・・・考慮すべき合併症は?
  2. 心窩部痛、39℃の発熱、眼球結膜に軽度の黄疸・・・ときたら何?
  3. 血圧102/64mmHg、意識は清明・・・から何が否定できる?
  4. 腹部はやや膨隆、心窩部と右上腹部とに圧痛および抵抗・・・どんな病態を起こしている?
  5. 赤血球413, Hb10.7g/dl、白血球12,800、血小板16万・・・から考えられる病態は?貧血?MCH?
  6. アルカリホスファターゼが上昇する疾患を整理すると?
  7. アミラーゼが上昇する理由は?
  8. 適切な治療は?