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【採択】泌尿器科学・宮澤克人准教授(第24回北國がん基金(研究助成))

課題名「前立腺がん発症に係わる幹細胞、炎症の解明に関する基礎的・臨床病理学的研究」

高齢化社会となった我が国では、急激な前立腺がん患者の増加を認められており、国民の注目を浴びる疾患となっているがその原因については不明の点が多い。一方、近年、各種臓器において発生するがんの幹細胞起源説が提唱されており、前立腺がんでも上皮ではなく幹細胞から発生するという報告がなされてきた。また、病理学的、疫学的な観点から検討から前立腺がん発生に前立腺炎が関与するという報告がある。これらのことから、本研究では幹細胞と炎症に着目した前立腺発がん実験系を構簗し、炎症の修飾作用を解析すること、加えて臨床材料を用いた詳細な解析により、前立腺発がんに対する炎症の関与を明らかにしたい。去勢ラットでは、前立腺上皮が消失し幹細胞が残存する現象を利用し発癌物質と炎症誘発物質を暴露させ前立腺炎付加による前立腺発がんへの修飾作用を検討する。また、前立腺肥大症、前立腺がんの臨床材料を利用し表面マーカーによる前立腺がん幹細胞の同定と炎症の係わりについて免疫組織学的に検討して動物実験結果と比較する。

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