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【新成果発表】生理学Ⅰ・加藤伸郎教授ら「抗うつ治療でアルツハイマー病を治す」

金沢医科大学の加藤伸郎教授(生理学)と国立病院機構・宇多野病院(京都市)の山本兼司医師らは、うつ病に使われる電気けいれん療法によって、アルツハイマー病原因物質アミロイドの毒性が一部消えることをモデル動物で見つけた。

アルツハイマー病治療に使われる薬は、原因物質のアミロイドの毒性と関連がない。この毒性への直接の療法が求められてきた。加藤教授らは、アミロイ ドが脳に過剰にできるアルツハイマー病モデルマウスで、アミロイドが脳細胞の活動が強め過ぎることを見つけた。活動が強すぎると脳細胞は死滅し、脳機能が 低下する。この行き過ぎた活動が、うつ病のための電気けいれん療法で正常化された。

うつ病治療のために使われる電気けいれんが、アミロイド作用のひとつを抑えることでアルツハイマー病治療にも使えることがわかった。この成果は8月3日発刊の米国神経科学会誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に掲載された。

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