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【採択】放射線医学・渡邉直人特任教授ら(第25回北國がん基金(研究助成))

課題名「癌に対する放射線内部照射治療におけるリンパ球の放射線組織障害に関する検討」

【渡邉特任教授・道合助教の研究概要】

Sr-89及びY-90標識抗CD20抗体を用いて放射線内部照射治療した場合には、臨床的に白血球数減少などの重大な副作用が生じることがある。 しかし、細胞自体にはどのような副作用としての放射線障害がでるのか、詳細は現在まで解明されていない。そこで、血液の内で最も放射線感受性が高いと考え られているリンパ球を用いて、Sr-89及びY-90標識抗CD20抗体を用いた放射線内部照射治療により、どの程度の放射性組織障害が出現するのか基礎 的に解明しようと考えた。γ-H2AXは、DNA損傷部位に集積することが知られている。同蛋白質に対する抗体で細胞の免疫染色を行うと、DNA損傷部位 が核内の点として染色され、光学顕微鏡でDNA損傷の個数を数えることができる。これを用いて、放射線内部照射治療前後の末梢血リンパ球に発生するDNA 損傷数を定量する。治療によるリンパ球の被曝線量は、正常リンパ球を外部照射してできるDNA損傷数と照射量との関係から求めた標準線より推定する。

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