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【授賞】糖尿病・内分泌内科学・金崎啓造講師(第22回腎と妊娠研究会/学術奨励賞)

「PlGFノックアウトマウスにおける妊娠中の生理的なsFlt1上昇は妊娠高血圧腎症様表現型を呈しない」

 

 妊娠高血圧腎症の病態において、可溶型VEGF-I型受容体 (sFlt1)の血中濃度上昇を原因としたPlGF・VEGF作用不全が重要な役割を演じると仮説されている。ただしこの仮説は主として、ウイルスベクターによる非生理的な異種動物由来sFlt1過剰発現を用いた検討をベースとしており、実際に生理的sFlT1上昇にともなう内因性PlGF・VEGF不全が妊娠高血圧腎症を惹起するかは未だ明らかではない。我々は、内因性sFlt1上昇とPlGF不全を有する遺伝子改変マウスを見出し・解析・検討しているが、現時点では生理的なこれら血管新生制御因子異常では妊娠高血圧腎症を発症させることができない。少なくともマウスでは生理的PlGF不全とsFlt1上昇のみでは妊娠高血圧腎症惹起の原因とならない可能性もあると考えられた。

 

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