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【採択】総合医学研究所・先端医療研究領域/島崎猛夫講師(がん集学的治療研究財団一般研究助成)

課題名「GSK3β阻害作用を持つ医薬品を用いた難治性膵癌の新規治療法の開発」

 膵癌は、他の癌腫と異なり、有効な抗癌剤が少なく、難治性であるが故に、すぐに治療薬選択が困難な状況に陥る。このような状況の中で我々は、糖代謝のインスリン経路で発見されたGSK3b(グリコーゲンシンターゼキナーゼ3ベータ)が膵癌の化学療法感受性に関係している分子であることを明らかにした(Shimasaki T et al. Glycogen synthase kinase 3β inhibition sensitizes pancreatic cancer cells to gemcitabine. J Gastroenterol 2012、 47(3):321-333.)。現在、安全性が確認されている市販薬剤のなかで、GSK3bに対する阻害作用を有する医薬品が複数存在し、これらの薬剤の副作用は少なく、保険診療で頻繁に使用されているため、進行膵癌の患者で本治療を希望する患者に対して、ジェムザール®もしくは、S-1にこれらの薬剤を併用し、進行膵癌に対するGSK3b阻害療法の抗腫瘍効果について臨床研究を試み、有用性を検証するものである。


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