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【受賞】先端医療研究領域/島崎猛夫講師(日本消化器癌発生学会総会ポスター優秀演題賞)

演題名「GSK3β異常活性による膵がんの浸潤と治療抵抗性」

 膵がんの難治性の根底には腫瘍細胞の高い増殖能、強度の浸潤性、抗がん剤・放射線耐性と高転移性がある。しかし、現状では確たるがん制御効果は得られていない。多機能酵素であるglycogen synthase kinase (GSK) 3βは、膵癌を含む種々の癌種で病的作用を示すことが明らかになってきたことから、膵癌の浸潤や治療抵抗性とGSK3βの異常活性との関連について検討したところ、GSK3βは細胞周期と運動を制御する分子経路や細胞微細構造を修飾して、膵癌細胞の治療抵抗性や浸潤性を高めることが判明した。我々は、GSK3β阻害によるがん治療効果とその分子機構を膵癌細胞移植動物でも実証し、GSK3β阻害効果が科学的に立証された既存医薬品の適応外使用とゲムシタビンの併用による進行膵がん治療の医師主導型第Ⅰ/Ⅱ相臨床研究 (UMIN 000005095)を実施しており、現在までの結果について発表した。



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