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【雑誌掲載】一般教育機構(生物学)/有川智博講師、東海林博樹准教授による特集記事「ガレクチンによる糖鎖認識と免疫における意義」が臨床化学誌(Vol.42 No.1)に掲載されました。

【概 要】
 ガレクチンはβ-ガラクトシド(糖鎖)に特異的に結合性を示す分子量14~36 kDaのレクチンであり、ファミリーを形成している。ガレクチンは共通して糖鎖を認識するドメイン(Carbohydrate recognition domain, CRD)を持つが、ガレクチンの種類によって、各種糖鎖に対しての結合親和性に差が見られる。タンパクの糖鎖修飾は、細胞種や発生段階に依存して変化することが知られており、ガレクチンも胚発生における発現パターンは時間的、空間的に制御されていることから、糖鎖とガレクチンによる相互作用は、個体の生涯を通じて特有の役割をもつ可能性が高い。ガレクチンはカビやカイメンなどの下等動物からヒトまで長く保存されていること、さらには皮膚扁平上皮、消化管や呼吸器の粘膜上皮など外界と接する体表面で多く発現していることなどを考え合わせると、そのオリジナルの存在意義は、いわゆる生体防御因子群であったと考えられる。本特集では免疫反応に注目して糖鎖認識の生理作用や主な機能について概説した。


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