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【受賞】糖尿病内分泌内科学 永井貴子医員がFRONT-J第4回学術集会で若手研究奨励賞、優秀演題賞を受賞

 糖尿病性腎症における予後規定因子として腎線維化が重要です。その臓器線維化に重要な役割を演じる線維芽細胞の由来において,内皮細胞-間葉系細胞分化(EndMT)の意義が注目されています。
 今回我々は、アンギオテンシン変換酵素(ACE)の基質である内因性抗線維化ぺプチドN-acetyl-seryl-aspartyl-lysyl-proline(AcSDKP)に注目し,糖尿病性腎症に対する既存の治療法であるACE阻害薬にAcSDKPを追加する事で強力な抗線維化-抗EndMT効果がある事を糖尿病腎線維化モデルを用い明らかにしました。さらに,近年,miRNA let-7 familyに抗EndMT作用が報告されていますが,糖尿病マウス腎で低下したmiRNA let-7 family をACE-I+AcSDKPの投与で改善できました。このように,糖尿病性腎症に対するACE-Iの有用性を再認識するとともに,相加的腎保護効果を示すAcSDKPの重要性を示すことができました。本ペプチド分子機構を用い、主に腎臓線維化制御の臨床応用を視野にいれた検討を現在重ねております。
 
 Front-J研究会は、腎臓病領域における日本の臨床研究者の情報共有・ネットワーク強化、若手育成・活性化、並びに成果の国際社会への速やかな発信・貢献を目的としています。
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