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【採択】糖尿病・内分泌内科学 乙田敏城助教 /上原記念生命科学財団研究奨励金

課題名「小胞体分子シャペロン誘導を介した糖尿病腎症の治療」

 先進国における死因の45%は何らかの臓器における線維性増殖疾患と関連しています。その制御は、臓器機能保持-QOL維持につながる治療として期待されますが、直接に臓器線維化を制御する治療法は確立されていません。細胞内外のタンパク質の恒常性を司るメカニズム「小胞体ストレス応答」は、多様な疾患の治療標的として注目を浴びています。ストレプトゾトシン誘導1型糖尿病モデルマウスを作成し、DNAチップ法により腎臓での網羅的遺伝子解析を行ったところ、小胞体ストレス応答に関連する遺伝子群が大きく変動していました。また近年、腎臓における様々な生理学的、病理学的応答系へのmicroRNAの関与が明らかとなってきおり、新規創薬標的因子として注目されています。今回の研究は、糖尿病性血管合併症の進行過程で認められる腎臓の線維化において、小胞体ストレスを標的にmicroRNAを用いた新規治療法を確立することを目的としたものであります。

上原記念生命科学財団HP

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