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【採択】病理学Ⅰ・平田英周講師/上原記念生命科学財団 研究奨励金

研究課題名「脳転移がん細胞の休眠維持と破綻の機構解明」

 本研究のねらいは脳組織における転移がん細胞の休眠維持・破綻機構を解明することである。休眠がん細胞とは、増殖を続けるがん細胞集団の中から抜け出し、特定の臓器に転移し、何らかの要因により増殖を停止した状態で生体内に長期間とどまる細胞である。これら休眠状態にあるがん細胞は既存の治療法に対して耐性を示しており、完全寛解導入に至っている症例においても数年~10 数年を経て局所的再発を引き起こす。この休眠維持と破綻には臓器特異的な微小環境が深く関わっていると考えられているがその多くは依然として不明であり、特に脳転移がん細胞の休眠メカニズムに関する報告はほとんどない。
 本研究では脳局所微小環境が単一脳転移がん細胞の運命を支配するという仮説を立て、生体内・外イメージング技術を駆使してがん細胞の生着と休眠への移行、そこからの離脱と再増殖という一連のプロセスを、微小環境の局所的再編成と応答シグナルに着目して1細胞レベルで可視化することを目指す。
上原記念生命科学財団ウェブサイト


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