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【受賞】解剖学Ⅱ 薗村貴弘講師/第17回日本顕微鏡学会奨励賞「FIB-SEMと共焦点レーザー顕微鏡を相関させた免疫組織化学標本観察法の開発」

 近年、生命科学分野では、従来は透過型電子顕微鏡(TEM)で撮像していた像を、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影し、これに加えて機械化した連続超薄切技法で、数百枚単位の連続画像を自動的に取得し三次元的に解析するという手法が浸透しています。特に脳神経科学の分野では、アメリカのオバマ大統領の施政方針演説で「ブレインイニシアティブ」を国家プロジェクトとして大々的に掲げて以降、急速に進展してきました。日本においても2014年から理化学研究所や慶応大学を中核として「革新脳・Brain/MINDS」がスタートし、その主要テーマとして、このSEMをもちいた脳の網羅的三次元的電子顕微鏡解析が行われています。
 今回の受賞は、この手法の一つである集束イオンビーム-走査電子顕微鏡(FIB-SEM)を、現在広く用いられている共焦点レーザー顕微鏡と組み合わせて、かつ免疫電子顕微鏡染色を行い、2つの異なる顕微鏡で全く同一の視野をそれぞれ三次元再構築するという、世界に先駆けた我々の観察手法が、今後の研究の重要なランドマークとなるとして評価していただきました。共同研究者の先生方をはじめ、FIB-SEMの撮影にご協力頂きました日立ハイテクサイエンスの皆様、研究助成金を頂きました財団の皆様方に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
日本顕微鏡学会ウェブサイト


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