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【採択】小児外科学・吉崎尚良講師/武田科学振興財団 2016年度医学系研究奨励

研究課題名「リン酸化モチーフ上がん特異的変異のプロテオームワイド解析」

 がん遺伝子や、がんの分子標的薬のターゲットの多くはタンパク質リン酸化に関係する遺伝子である。その基質であるリン酸化サイトに入る変異もがん化への影響を持つことが予想される。しかしながら、リン酸化サイト変異のがんにおける役割は、いまだ包括的には明らかにされていない。本研究は、ヒトにおいてリン酸化サイト上のがん特異的変異が細胞がん化にどのような影響を持つか明らかにするため、我々が同定した178のリン酸化モチーフ上のがん種特異的変異データべースを作製し、がん種ごとのリン酸化モチーフ上の変異解析と既知ドライバー変異との関係を解析することで、細胞がん化に影響を持つリン酸化モチーフ変異の同定を目指す。そして、がん組織に導入されたリン酸化モチーフ上の変異が、がん細胞にどのような影響を与えるか細胞生物学的に明らかにする。本研究の成果は、がん細胞種に特異的なリン酸化モチーフ変異が、がん化に与える影響を明らかにすることで、新規の分子標的薬のターゲット分子の発見につながることが期待される。


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