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【受賞】糖尿病・内分泌内科学 特別研究生 植木典和さん/第7回分子腎臓フォーラム優秀賞

 妊娠高血圧腎症(preeclampsia:PE)は母児の生命に関わる重大な合併症ですが、未だに発症機序は解明されておりません。PE発症妊婦はangiotensin IIに対する昇圧感受性が亢進していることが知られています。PEの臨床所見の中で最も重要な高血圧の制御はPEを克服する上で中心となるテーマです。カテコラミンを不活化する代謝酵素であるcatechol-O-methyltransferase(COMT)は、estradiolの代謝物2-hydroxyestradiolから2-methoxyestradiol(2-ME)を生成します。我々は以前、COMT不全妊娠マウスが2-MEの欠乏を介してPE様症状を呈すること報告致しました。今回我々は2-MEがPPARγの活性化を介してangiotensin II type1 receptor発現の制御することにより、COMT不全がangiotensin IIに対する昇圧感受性亢進を惹起する機序を解明しました。
 本研究が将来的にPEを合併した妊婦及び胎児の予後を改善することを信じて、今後臨床的な解析も行っていきます。
分子腎臓フォーラムウェブサイト


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