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【論文発表】一般教育機構(生物学) 有川智博講師らの論文 "Galectin-4 expression is down-regulated in response to autophagy during differentiation of rat trophoblast cells" が Scientific Reports 誌に掲載されました

 胎盤には多種のGalectinタンパク(β-ガラクトシド結合レクチン)が含まれており、その一部は妊娠時高血圧発症との関わりが指摘されるものもあるため、Galectinは近年、胎盤におけるGuardian(守護者)とも称されています。当研究室では、胎盤栄養膜細胞(ラットRcho-1細胞)分化過程においてガレクチン4(Gal-4)の発現が低下することに着目し、ラット栄養膜細胞の分化誘導にオートファジーが関与していること、さらに、Rcho-1細胞分化に伴うGal-4発現の低下は、このオートファジーに依存する反応であることを明らかにしました。Galectinファミリーは細胞接着を促進することが知られているため、以上の結果は、Gal-4の発現低下が胎児由来細胞の浸潤能獲得に関与する可能性を示しています。本研究は、母体への胎盤栄養膜細胞の浸潤におけるオートファジーならびにGal-4の発生学的意義を解明し、胎盤形成に関する分子メカニズムの一端を明らかにしたものです。
Scientific Reports


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