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【採択】薬理学・田和正志講師/喫煙科学研究財団 平成29年度若手研究

研究課題名「喫煙が血管系における可溶性グアニル酸シクラーゼ酸化還元状態に及ぼす影響」
 可溶性グアニル酸シクラーゼ (sGC) は一酸化窒素 (NO) の受容体的な役割を果たしており、血管拡張、血小板凝集抑制、細胞増殖抑制など生体維持に必要不可欠な作用を担っている。ただし、生体内には NO が活性化できる還元型 (ヘム鉄が 2 価) と活性化できない酸化型 (ヘム鉄が 3 価) およびアポ型 (ヘムが脱離) の sGC が混在しており、酸化ストレス下では還元型から酸化型、アポ型へとシフトすることが明らかにされている。喫煙は血管障害の原因になることが広く認識されており、その主要なメカニズムとして NO の生物学的利用能低下が挙げられるものの、sGC 酸化還元状態破綻が存在するのかについては解明されていない。本研究では、喫煙が血管系における sGC 酸化還元状態に及ぼす影響を調査し、その病態生理学的意義を明らかにする。
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