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糖尿病内分泌内科学 金崎啓造 「腎機能異常を有する糖尿病症例に対するリナグリプチンの血糖及び尿アルブミン排泄に対する効果(国際共同研究:MARLINA-T2D™ trial)」を発表(Diabetes Obesity & Metabolism)

 DPP-4阻害薬には様々な臓器保護効果の可能性が動物実験で報告され、様々な第III層試験やそのプール解析などでも腎機能保護をはじめ報告されてきました。しかし、RCTにてDPP-4阻害薬の臓器保護作用は未だ証明されず、仮説にとどまっております。今回のMARLINA-T2D™ trial は腎機能異常のある2型糖尿病症例を対象にリナグリプチンとプラセボの効果を比較したRCTであり(24週間)、リナグリプチンの腎機能に関係しない血糖効果作用を確認しました。またリナグリプチン投与群では20%以上の尿アルブミン減少を認めた症例は有意に多く、尿アルブミン悪化症例は有意に少ないことが明らかとなりました。さらなる大規模・長期介入試験が現在進行中であり結果が待たれます。

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