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【採択】臨床病理学 山田 壮亮 教授/公益財団法人MSD生命科学財団 研究助成 2017-生活習慣病領域-

研究課題名「血管障害モデルによる内膜肥厚/狭窄に対する、抗酸化酵素ペルオキシレドキシン(PRDX)4の予防メカニズムの解析」

 我々は、抗酸化作用を有する新しい蛋白群、ペルオキシレドキシンperoxiredoxin (PRDX) familyの一つである、ヒトPRDX4 (hPRDX4)のトランスジェニックマウス(Tg)を独自に作製し、膵島炎(1型糖尿病, T1DM)、2型糖尿病(T2DM)や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)だけでなく、動脈硬化(特に粥腫形成)に対しても、PRDX4が生体における保護・防御的機構および抑制効果を有していることを明らかにしてきた(2010, 2012 and 2013 in Antioxid Redox Signal掲載; & 2016 in PLoS One掲載)。これまでの研究結果から、ヒトにおけるメタボリックシンドロームに対して、PRDX4が抑制的・予防的に働いているとの仮説が立てられる。一方、ヒト動脈硬化性病変の中で、死に至らしめ得るのは「冠動脈ステント後再狭窄」に代表される血管平滑筋細胞(SMC)の増生を主とした著明な新生内膜肥厚(血管再構築)である。したがって、Tgマウスを用いた血管傷害性動脈硬化animal modelの病理組織学的解析を中心とする、動脈硬化予防メカニズムに対する検討を進め、PRDX4を含む抗酸化酵素の治療応用を模索することが本課題の目的である。

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