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【論文発表】免疫学 松葉慎太郎助教らによる論文 "Identification of Secretory Leukoprotease Inhibitor As an Endogenous Negative Regulator In Allergic Effector Cells."がFrontiers in Immunology誌に掲載されました。

 肥満細胞、好塩基球および好酸球はアレルギー性炎症反応の主なエフェクター細胞です。これらの細胞は様々な炎症性物質を産生します。なかでもタンパク質分解酵素であるセリンプロテアーゼは、皮膚や粘膜の上皮構造を破壊します。生体にはセリンプロテアーゼを抑制するセリンプロテアーゼインヒビターが発現していますが、これまでアレルギーのエフェクター細胞での発現や機能は不明のままでした。本研究では、代表的なセリンプロテアーゼインヒビターであるSecretory leukoprotease inhibitor (SLPI) に着目し、その発現と作用について検討しました。その結果、SLPIは好塩基球および好酸球に顕著に発現し、これらの細胞のセリンプロテアーゼ活性やサイトカイン産生を抑制していることを見出しました。さらにSLPIを欠損すると、好塩基球による皮膚アナフィラキシー反応や、好酸球による呼吸器アレルギー反応が増悪することが明らかになりました。これらの結果から、SLPIは、好塩基球や好酸球によるアレルギー炎症を抑制することが判明しました。SLPIを標的とした新たなアレルギー疾患治療薬の開発に期待が持たれます。
 なお、本論文は本学の研究助成制度「平成23年度奨励研究 ; S2011-12(代表 松葉 慎太郎)」、「平成24年度共同研究 ; C2012-3(代表 中村 晃)」および「平成25年度アシストKAKEN ; K2013-11(代表 松葉 慎太郎)」を受けて行われたものです。

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