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【論文発表】糖化制御研究分野 逆井亜紀子助教の論文「Impact of intracellular glyceraldehyde-derived advanced glycation end-products on human hepatocyte cell death」が、Scientific Repots誌に掲載されました。

 飲食品中に多く含まれるブドウ糖や果糖などの過剰摂取などにより体内において糖とタンパク質が反応し、最終的に終末糖化産物 (AGEs) と呼ばれる物質が蓄積する。生活習慣病の一つである非アルコール性脂肪肝炎 (NASH) の発症・進展にAGEsが関与することが報告されているが、その機序に関して不明な点が多い。本研究では、特にNASH病態の進展と血中レベルが正相関するグリセルアルデヒド由来AGEs (Glycer-AGEs) に注目し、細胞内Glycer-AGEsの蓄積と肝細胞障害機序の解明を行った。
 その結果、肝実質細胞内においてGlycer-AGEsの蓄積に伴いDNA損傷およびネクローシスが引き起こされていた。また、アポトーシスの重要な因子であるCaspase-3がGlycer-AGEs化され異常高分子構造を形成しており、さらに活性化機能を喪失していた。これらの結果から、Glycer-AGEs化Caspase-3の形成がDNA損傷誘導によるアポトーシスを阻害し、細胞周辺に炎症を引き起こすネクローシスと密接に関連している可能性が示唆された。

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