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糖尿病内分泌内科学: 日中笹川奨学生 Qiongying Hu、大学院生 Jinpeng Liの論文「N-acetyl-seryl-aspartyl-lysyl-proline によるmicroRNA let-7b-5pを介したミトコンドリア調節機構にはFGFR1が必須である」がBiochemical and Biophysical Research Communicationsに掲載

 我々は以前より内因性抗線維化ペプチド N-acetyl-seryl-aspartyl-lysyl-proline (AcSDKP)による内皮細胞恒常性維持機構に注目し、その破綻が内皮細胞から間葉系細胞への分化プログラム(EndMT)を誘導すること、AcSDKPとFGFR1相互作用を介したmicroRNA let-7誘導が演じる内皮細胞保護的役割を解明して来ました。今回我々は、microRNA let-7b-5pが既報にて解糖系制御に寄与していることから着想を得、内皮細胞エネルギー調節機構において中心的役割を演じるミトコンドリアの生合成・恒常性にAcSDKP-FGFR1機構が重要である事を見出しました。本報告ではAcSDKPによるミトコンドリア調節機構において、FGFR 1シグナルを介したmicroRNA let-7b-5p誘導とその結果発現が増加するミトコンドリアの融合に寄与する蛋白であるMFN2とOPA1が重要である事を解明しました。
 AcSDKPの抗線維化効果は広く知られていましたが、内皮細胞のミトコンドリア恒常性に寄与することは全く新しい知見であり、AcSDKPの血管合併症などに対する有効性と治療標的としての可能性がさらに高まりました。

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