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【論文発表】小児外科学 大学院生 西田翔一医師、吉崎尚良講師らの論文"Collagen VI suppresses fibronectin-induced enteric neural crest cell migration by downregulation of focal adhesion proteins."がBiochem Biophys Res Commun誌に掲載されました。

 腸管は運動や分泌・吸収の調節を行う腸管神経系(ENS)を持ちます。ENSは胎生期に腸管神経堤由来細胞(ENCCs)が腸管を口側から肛門側に遊走し、成熟することで形成されます。この過程の異常はHirschsprung病(HSCR)をはじめとする腸管神経節異常症の原因となります。本研究では、マウス胎仔腸管のトランスクリプトーム解析により、腸管発生期に細胞外マトリクスの発現が有意に変化すること、中でもVI型コラーゲン(Col6)がフィブロネクチン(FN) 誘導性のENCC運動を抑制することを明らかにしました。これらの結果はFNとCol6のバランスがENCCの運動を調節していることを示しており、腸管の細胞外マトリクスを標的としたHSCRの新規治療戦略の可能性が期待されます。
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