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【論文発表】臨床病理学 塩谷晃広助教の論文「腎盂原発腸型管状絨毛状腺癌の一例」がPathologyInternational誌に掲載されました

 70 歳男性。血尿、腰背部痛を主訴に来院。左水腎症、腎盂腫瘍疑いで、左腎尿管摘出術が 行われた。肉眼的には嚢胞状拡張を示す腎盂内に、多量の粘液や壊死物を伴う腫瘍を認め、 組織学的に管状絨毛状に増殖する腸型腺癌を認めた。転移性腎盂癌が鑑別だが、臨床的に他 臓器原発を示唆する所見はなく、免疫染色で腫瘍細胞に β-catenin が細胞膜陽性かつ核陰 性パターンを示し、腎盂原発腺癌と考えた。非腫瘍部の腎盂粘膜には腺上皮化生を認め、文 献的には慢性炎症による腺上皮化生が発癌の原因と推定されるが、腎盂原発腺癌の発癌に 関与する炎症性サイトカインや分子経路に関する詳細な研究は現時点では無く、今後の発 癌機序の解析が待たれる。

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