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【論文発表】臨床病理学 黒瀬 望学内講師の「The clinicopathological comparison among nodal cases of idiopathic multicentric Castleman disease with and without TAFRO syndrome」がHuman pathology誌に掲載されました

多中心性Castleman病(MCD)は血清IL-6の増加によって引き起こされる全身性炎症性疾患である。特発性MCD(iMCD)は、組織学的に形質細胞型(PC)、混合型(mixed)、富血管型(hyper-V)の3型に分類される。近年、iMCDとオーバーラップする予後不良な臨床疾患群(TAFRO症候群;thrombocytopenia, anasarca, fever, renal failure or reticulin fibrosis, organomegaly)が日本から報告されたが、その臨床病理学的な詳細は明らかにされていない。本研究において我々は、TAFROを伴った/伴わないiMCDのリンパ節病変70症例を臨床病理学的に解析し、その節外病変についても検討した。TAFROを伴わないiMCDと比較して、TAFROを伴ったiMCDはリンパ濾胞(LF)がより萎縮し、リンパ濾胞間距離の開大、胚中心内の糸球体様血管の増生、濾胞樹状細胞の増加がみられた。加えてhyper-Vは、LFの萎縮と濾胞間血管が特に高度であった。mixedにおいて、TAFROを伴ったiMCDは、伴わないiMCD に比べ、血清IL-6値が有意に高かった。更に、TAFROを伴わないiMCD と比べて、TAFROを伴ったiMCDは、IgG4陽性、CD38陽性形質細胞数が有意に低下していた。

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