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【論文発表】臨床病理学 郭 鑫助教の「Myoepithelial Carcinoma of the Parotid Gland: A Case of Adequate FNA Cytology Specimens Rendering a Conclusive Diagnosis Possible」がSAGE Open Medical Case Reports誌に掲載されました

 非常に稀な耳下腺筋上皮癌の一例報告。80代、大腸癌と前立腺癌の既往のある日本人男性。顔面神経麻痺を伴い、右顔面部の徐々に増大した腫塊を主訴に来院。穿刺吸引細胞診では、形質細胞様細胞がシート状に配列する像が見られる。多形性核を有する細胞は円形~紡錘形で、細胞質内には封入体を認められる。悪性と診断し、耳下腺切除術を施行した。切除された標本は、肉眼的には、腫瘍の割面は灰白色~黄色で、被膜がみられない、境界不明瞭で、脂肪浸潤が認められる。組織学的に、好酸性の間質を伴う腫瘍は充実性に増殖しており、円形~紡錘形の異形細胞が網状に配列し、形質細胞様細胞の浸潤を伴う。免疫染色で腫瘍細胞にp63、cytokeratinsおよびvimentinが陽性を示し、電子顕微鏡にて細いアクチンフィラメントの束を認め、筋上皮由来と一致する。最終的に筋上皮癌と診断した。細胞診のみで筋上皮癌と積極的に診断するため、大量の筋上皮癌ケースの蓄積と鍛錬が必要と考える。

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