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【論文発表】糖尿病・内分泌内科学・小倉慶雄助教「Renal mitochondrial oxidative stress is enhanced by the reduction of Sirt3 activity, in Zucker diabetic fatty rats」をRedox Report誌に発表

 糖尿病腎症(腎症)は、末期腎不全へ至る慢性腎臓病の主たる原疾患です。現在、腎症に対する治療は、血糖・血圧・脂質管理を中心とした包括的治療が推奨されておりますが、十分な治療効果が得られているとは言い難い状況です。従いまして、腎症の発症・進展機序の更なる解明ならびに腎症に対する新規治療法の開発が望まれます。今回我々は、2型糖尿病ラットの腎において、抗老化分子の一つであるミトコンドリアSirt3(NAD+依存性脱アセチル化酵素)の活性低下が、SOD2(スーパーオキサイドジスムターゼ2)を含む抗酸化酵素のアセチル化亢進に起因した活性低下を介して酸化ストレスが増強していること、また、NAD+分解酵素(CD38)の発現増加が、NAD+/NADH比の低下を介して、Sirt3の活性低下に関与している可能性を見出しました。今後、CD38の抑制によるNAD+/NADHの回復とSirt3の活性化が腎症に対する新たな治療標的になると考え、さらに研究を進めております。

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