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免疫学 和田俊樹講師らによる論文「Crystal structure of the ligand-free form of the Vps10 ectodomain of dimerized Sortilin at acidic pH」がFEBS Letters誌に掲載されました

免疫細胞が産生する様々な炎症性サイトカインの分泌制御は,適切な炎症応答のバランスを保つうえで極めて重要である.これまで我々は,Sortilinが免疫細胞のサイトカイン輸送に関わる分子として機能することを示してきたが,その詳細な分子メカニズムは不明であった.今回我々は,X線結晶構造解析にてSortilinによるサイトカイン輸送機構の分子メカニズムを明らかにすることを目指した.Sortilin組換蛋白質の精製及び結晶化を行い,大型放射光施設フォトン・ファクトリーにて回折データ収集した結果,Sortilinのリガンド非結合型の立体構造を2.45 Å分解能で決定することに成功した.立体構造から,Sortilinは酸性条件下で2量体を形成し,この2量体形成には保存された疎水性ループとN型糖鎖が重要であることが明らかとなった.この2量体形成に重要なアミノ酸残基への変異導入によってSortilinによるサイトカイン輸送活性が低下したことから,細胞内でpHに依存した2量体形成がSortilinの機能に重要であることが示唆された.本研究成果は,免疫細胞の機能制御に重要な役割を果たすサイトカインの分泌制御機構に関する分子メカニズム研究を更に発展させることが期待される.本研究は,茨城大学大学院理工学研究科海野昌喜教授との共同研究にて行われた.

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