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【論文発表】 精神神経科学、総合医学研究所 松田幸久元研究員、大井一高講師らの総説"Cortical gyrification in schizophrenia: current perspectives"がNeuropsychiatric Disease and Treatment誌に掲載されました

 人の大脳は一部では平坦であり別の部位では入り組んでいるなど複雑な構造をしている。この構造上の特徴は皮質の複雑さ(cortical gyrification: GI)と呼ばれ、統合失調症の病理研究の関心となっている。GIの測定法は用手的GI、自動算出GI、局所的自動算出GIがある。また、GIについては数多くの研究がなされているが“hypergyria”(過皮質形成)と”hypogyria”(未皮質形成)という正反対の知見が存在している。本総説では、GIの異常に焦点を当て、統合失調症患者、初発患者、同胞および家族、ハイリスクおよびアット・リスクの個人、臨床症状との関係、ソフトサインとの関係、実行機能との関係についての知見を紹介した。先行研究からは、1)異なるGI測定法が異なる結果を生む原因であること、2)対象者の年齢、性差、病期、臨床症状の重篤さなど数多くの要因が複合的に作用し異なる結果を生んでいることが示唆された。今後、これらの要因を考慮した統合的研究が期待される。

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