記事のみ印刷する

【論文発表】臨床病理学 黒瀬 望学内講師の「Cytopathological findings of proliferating pilomatricoma misdiagnosed as a malignant parotid gland tumor」がDiagnostic Pathology誌に掲載されました

毛母腫は、毛母基、内毛根鞘及び毛皮質に分化する良性皮膚付属器腫瘍である。増殖性毛母腫は毛母腫の稀な亜型で、急速に増大し、悪性腫瘍として誤認される場合がある。64歳、男性、左耳下部に座瘡様結節を認めた。無痛性で、2年間で最大径4.5cm大まで増大した。臨床的に、左耳下腺癌が疑われ、穿刺吸引細胞診が行われた。壊死背景に上皮細胞集塊が観察され、唾液腺由来の悪性上皮細胞が疑われた。組織学的に腫瘍は、耳下腺由来ではなく、好塩基性細胞と陰影細胞からなる増殖性毛母腫であった。細胞診標本の再評価にて、不規則な形状の上皮細胞は好塩基性細胞であると考えられ、脱核した陰影細胞も確認された。術後4年、再発及び転移は認めない。増殖性毛母腫の細胞診断に際し、好塩基性細胞だけでなく、陰影細胞も認識することが重要であるが、最終的な診断は切除標本に対してのみ行うべきである。

詳細は
こちら
新着一覧へ