【論文発表】臨床病理学　熊谷泉那先生の「Depletion of WNT10A Prevents Tumor Growth by Suppressing Microvessels and Collagen Expression」がInternational Journal of Medical Sciences誌に掲載されました

背景：我々はWNT10Aの欠損が皮膚潰瘍からの創傷治癒を有意に遅延させることから、WNT10Aが、コラーゲンの発現/合成を正に調節し、創傷治癒の中心的役割を果たすと最近報告した。 また一方、WNTシグナルは、癌の微小環境、さらには、増殖と密接な関係を有することが知られている。そこで、腫瘍増殖におけるWNT10Aの生体内での調節機能を確認するため、Wnt10a欠損マウス（Wnt10a - / - ）を用いて実験を行った。
方法・結果：C57BL / 6J野生型（WT）およびWnt10a - / - マウスに、B16-F10メラノーマ細胞を移植し、腫瘍増殖動物モデルの一つを試みた。 Wnt10a - / - マウスでは、WTマウスよりも有意に、移植し増殖したメラノーマ細胞の量が少なく、さらには、微小血管、コラーゲンの発現は抑制され、壊死が多く見られた。
結論：これらの結果は、生体内でのWnt10aの欠損は、通常の創傷治癒/瘢痕形成と比べ、線維間質発生を抑制することで、腫瘍増殖を妨げることを示唆していると考える。

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