記事のみ印刷する

【論文発表】精神神経科学、総合医学研究所 大井一高講師らの論文"Genome-Wide Variants Shared Between Smoking Quantity and Schizophrenia on 15q25 Are Associated With CHRNA5 Expression in the Brain"がSchizophrenia Bulletin誌に掲載されました

 統合失調症患者は一般集団と比較して喫煙率および喫煙本数が高いことが知られています。統合失調症と喫煙量は共に高い遺伝率を示し、共通する遺伝基盤の存在が推測されています。統合失調症と喫煙量の全ゲノム関連解析 (GWAS)では、15q25が共通の染色体領域として同定されており、1つの遺伝領域が2つ以上の表現型に影響を及ぼす生物学的多相遺伝の観点から注目すべきゲノム領域と考えられます。
 本研究では、15q25上の統合失調症と喫煙量に共通して関連する遺伝子多型を同定するために、Psychiatric Genomics Consortium (PGC)における統合失調症およびTobacco and Genetics Consortium (TAG)における喫煙本数により評価した喫煙量の大規模GWASメタ解析からのSummary Statisticsを用いました。共通する遺伝子多型の遺伝子発現に及ぼす影響を検討するために、BRAINEACにおける健常者134名の死後脳10領域においてexpression Quantitative Trait Loci (eQTL)解析を行いました。15q25上の22個の遺伝子多型が統合失調症および喫煙量双方と強く関連していました。これらの遺伝子多型は特定の脳領域においてPSMA4CHRNA3CHRNB4遺伝子発現と、複数の脳領域においてCHRNA5遺伝子発現と関連していました。複数の脳領域において、リスク遺伝子型は高い遺伝子発現量と関連していました。さらに注目したCHRNA5 exonレベルでは、リスク遺伝子型は、複数の脳領域において、特定のexon発現が高いことと関連していました。本研究の結果より、統合失調症および喫煙量に共通する遺伝子多型は、広範な脳領域においてCHRNA5遺伝子発現を制御することにより双方の表現型の病態に寄与する可能性を示唆しています。

詳細はこちら
新着一覧へ