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【採択】解剖学Ⅱ 伊藤 哲史 准教授/公益財団法人鈴木謙三記念医科学応用研究財団 平成30年度調査研究助成

 研究課題名「次世代型脳内刺激式補聴器開発のための脳内神経回路解析」
先天的あるいは老化に伴う難聴によって言語音を聞き取ることが困難になる不利益は甚大である。脳を直接刺激することによって脳内に言語音を再生させる脳機械インターフェイス(BMI)が期待されるが、現在存在する、中脳の下丘を電気刺激するプロトタイプでは電気刺激によって音そのものの認知をさせることが可能であった一方、言語音を脳内再生するには至っていない。これは下丘のような聴覚情報統合中枢では言語音のような時間変化を伴う複雑音の音情報が抽象化され、音オブジェクトのような形で表象されているため、言語音の波形そのものが意味を失っているためである。音オブジェクトの表象の原則、とりわけ聴覚統合中枢における階層的情報処理を明らかにすることで、聴覚BMIの実現をめざすことが本研究の目的である。
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