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【受賞】皮膚科学講座 竹田公信准教授が日本医真菌学会奨励賞を受賞(第62回日本医真菌学会)

「皮膚真菌症の感染経路の解析に関わる分子マーカーの臨床応用」
 体部白癬は、足白癬を菌の供給源として発症すると推定されている。そこで、白癬の主な原因菌種TrichophytonT.rubrum による多発性の白癬12例より得られた31株を用いて、同一人物における遺伝子多型の有無を検討した。鋭敏な分子マーカーであるNTS領域を用いた結果、T. rubrum 31株は6種の遺伝子型に分類され、4例で足と体からの分離菌の遺伝子型が一致しなかった。次いで一人の汎発性白癬患者の臀部、両足から得られた15株を同様の手法で解析したところ、計4種の遺伝子型の菌が存在し、そのうち両足に分布していた菌の遺伝子型が臀部からの分離菌のそれと一致した。よって体部白癬の菌は足白癬に由来すると推察され、また足には同時に複数の遺伝子型のT. rubrum が存在しうることが明らかになった。
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