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【採択】免疫学・小内伸幸教授/平成30年度 公益財団法人橘勝会すこやか健康応援団 医学研究助成

研究課題:低分子化合物誘導性分化リプログラムによる樹状細胞の樹立と新規がん免疫療法の創出

 がんは我が国における死亡原因1位の疾患であり、年間100万人が罹患し、35万人以上が死亡している。近年、免疫チェックポイント阻害剤による抗腫瘍効果は免疫療法の有効性を再認識した。しかし、同阻害剤を用いた治療でも奏功率が低い問題があり、新たな免疫治療方法が期待されている。樹状細胞は強力な抗原提示能力を有し、がんを排除するために獲得免疫を始動させる重要な免疫担当細胞である。この特徴を生かし、樹状細胞にがん抗原を加え、がん特異的免疫反応を誘導する方法は代表的な免疫細胞療法である。しかし、現行の方法では癌患者から樹状細胞を誘導する際に、治療に十分な細胞数が得られない場合がある。近年、低分子化合物を用いると前駆細胞から樹状細胞への分化が増強したり、樹状細胞の機能が向上する報告がある。そこで本研究では、低分子化合物を用いて、優れた機能と増殖能を有し、臨床応用可能な樹状細胞を分化誘導可能な細胞培養システムを樹立し、安全且つ効率的な新規がん免疫療法への基盤技術を開発する。

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