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【論文発表】臨床病理学 郭鑫 助教の 「Localized Malignant Pleural Mesothelioma Arising in the Interlobar Fissure: A Unique Surgical Case Masquerading Clinicopathologically as Primary Lung Adenocarcinoma」がSAGE Open Medical Case Reports誌に掲載されました

局限性恶性胸膜中皮腫の一例報告。80代、前職場でアスベストへの暴露歴がある男性。右肺下葉の肺門部よりに直径50 mm以上の腫瘍を認め、右肺門リンパ節に直接浸潤した原発性肺腺癌の疑いがあると当初解釈した。右肺上葉の部分切除を伴う右肺下葉切除を行った。肉眼的に、肺門部腫は灰白色~黄色で、右肺中下葉と肺門部リンパ節に浸潤し、部分的に右肺動脈に隣接する。組織学的に、肺外の臓側胸膜に存在する腫瘍は、異形細胞が不規則に融合した管状配列を呈し、肺動脈への浸潤を伴う。免疫組織化学的に、これらの異型細胞はcalretinin、cytokeratin 5/6および WT-1などの中皮マーカーに陽性であり、一方、thyroid transcription factor 1に対しては陰性である。さらに、蛍光in situハイブリダイゼーションにてp16遺伝子欠損が特異的に検出され,電子顕微鏡的に多数の有意に細長い微絨毛を見出した。最終的には,下葉と中葉の間の右葉間胸膜に生じた限局性悪性胸膜中皮腫(LMPM)と診断した。この腫瘍の独特な病理組織学的特徴により、我々臨床医および病理医は、慎重な臨床病理学的な検査に基づいて、鑑別診断の1つとして葉間胸膜に発生したLMPMを挙げることができると考えられる。

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