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【論文発表】 糖尿病内分泌内科学 大学院生 Yang Fan君、「DPP-4阻害はCXCR12/CXCR4/mTOR経路を介して乳がん細胞の肺転移を惹起する」をCancer Research誌に発表

我々はこれまでDPP-4を血糖コントロールのターゲットとしてのみならず、糖尿病血管合併症の発症進展抑制の標的分子として注目し研究を進めてきました。しかし同時に、DPP-4阻害薬の多彩な効果、その中でも特に癌細胞の生物学的特徴に及ぼす影響に関して懸念を持っていました。DPP-4はケモカインCXCL12を基質としているため、CXCL12血中濃度はDPP-4阻害薬投与時に上昇いたします。このCXCL12には細胞遊走能や癌転移における意義が注目されておりましたが、我々は今回初めて、担癌マウスを用いた解析でDPP-4阻害薬投与時の乳がん肺転移誘発におけるCXCL12の意義に関して報告することができました。本研究の成果は、直接臨床的なDPP-4阻害薬の癌転移リスクを意味するものではありませんが、現在多くの症例に使用されているDPP-4阻害薬の潜在的リスクを明らかにするのみならず、癌の発症進展抑制のターゲットとしてのDPP-4の可能性をも示唆していると考えます。本研究を進めるにあたり御指導・御助言を頂いた先生方、共同研究者の先生方に深謝申し上げます。(文責 金崎)

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