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【論文発表】臨床病理学 黒瀬 望学内講師の論文「Adenosquamous Carcinoma of the Uterine Cervix Displaying Tumor-associated Tissue Eosinophilia 腫瘍関連組織好酸球増多症を伴った子宮頸部腺扁平上皮癌の一例」がSAGE Medical Case Reports誌に掲載されました

腫瘍関連組織好酸球増多症(TATE)は、腫瘍組織内に著明な好酸球浸潤を伴う炎症反応と定義され、様々な臓器で報告されているが、その細胞学的所見を述べた報告例はない。49歳女性。下腹部痛を主訴に来院し、子宮頸部生検にて非角化型扁平上皮癌と診断された。軽度の好酸球浸潤が確認された。1か月後、子宮内膜細胞診で、著明な好酸球を背景に、不整な腫瘍胞巣が認められた。TATEの可能性を考え、末梢血中に好酸球増多を確認した。子宮全摘出術が施行され、腺扁平上皮癌と診断された。術後、好酸球数は減少したが、1年後好酸球数増多を伴って再発した。化学-放射線療法が施行されるも8か月後、永眠された。著明な好酸球性背景をみた時は、腫瘍組織に焦点を当てるだけでなく、TATEの可能性を考慮するべきである。好酸球数は、腫瘍の活動性を評価する上で有用なマーカーとなりうる。

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