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【論文発表】病院病理部 水口 聖哉 技師の論文「The potential usefulness of sputum cytology in the conclusive diagnosis of methotrexate-associated lymphoproliferative disorders: A case report」がSAGE Open Medical Case Reports誌に掲載されました

 メトトレキサート(MTX)は関節リウマチの標準治療薬として使用されている。MTX関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)は、MTX投与中止により自然消退することがある特徴的な経過を示す疾患である。我々が調べた限り、喀痰細胞診を用いてMTX-LPDを細胞学的に診断し得た報告例はない。症例は70代男性で、13年前に関節リウマチと診断され、MTX投与が開始された。数か月前より息切れや湿性咳嗽を認め、胸部CTでは両側下肺野の多発結節影と著名な縦隔リンパ節腫大を認めた。喀痰細胞診では疑陽性、MTX-LPD疑いと判定され、肺生検ではMTX-LPD(Diffuse large B cell lymphoma histological type)と診断された。MTX投与中止後、多くの結節は自然消退した。喀痰細胞診にて異型リンパ球を認めた際は、臨床情報なども含めた検討によりMTX-LPDの診断が可能であると考えられた。

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