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【論文発表】糖化制御研究分野 逆井亜紀子(助教)の総説論文「The relevance of toxic AGEs (TAGE) cytotoxicity to NASH pathogenesis: A Mini-Review」がNutrients誌に掲載されました。

 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は現在最も一般的な肝疾患となっている。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)はNAFLDの重症型である。過剰量の果糖ブドウ糖液糖を慢性的に摂取すると脂肪肝の罹患率の増加につながることなどから、NASH発症・進展の危険因子の一つに高血糖が挙げられる。高血糖条件下では、糖と蛋白質が非酵素的に反応し、様々な終末糖化産物(AGEs)が生成・蓄積される。これらAGEsの中でも果糖やブドウ糖の代謝中間体であるグリセルアルデヒド(GA)に由来する毒性の高いAGEs(Toxic-AGEs, TAGE)はNASHの発症・進展と相関が見られる。さらに、GAは、TAGE修飾によるタンパク質機能障害を介して細胞損傷を引き起こし、ネクローシス型の肝細胞死を誘導する。ネクローシス型細胞死が引き起こされると、細胞外に細胞内TAGEが漏出する可能性がある。細胞外TAGEは、肝細胞および肝星細胞を含む周囲の細胞においてNASHの病理に関連した炎症性または線維性反応を誘導する。このレビューは、NASHの発症・進展に関連する肝細胞死へのTAGEの関与に焦点を当てた。

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