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【論文発表】糖尿病内分泌内科学 高垣 雄太 助教 「Dipeptidyl peptidase-4 plays a pathogenic role in BSA-induced kidney injury in diabetic mice (DPP-4はBSA誘導腎障害糖尿病モデルマウスにおいて病理学的意義を有する)をScientific Reports誌に発表

 持続的な尿蛋白を認める糖尿病症例は尿蛋白を認めない症例と比べて糖尿病腎症の進展が早いことが知られています。今回の検討では尿蛋白負荷モデルにおいて糖尿病を誘導すると非糖尿病群と比較して強い腎障害を認め、DPP-4阻害薬はこの変化を改善させました。そこで障害腎の網羅的解析を行なったところ、糖尿病群の障害腎では尿蛋白負荷により上皮間葉系細胞分化 (EMTプログラム)が誘導され、DPP-4阻害薬はEMTプログラムを抑制することが示唆されました。さらにこのEMTプログラムはDPP-4, integrinβ1, caveolin-1のクロストークにより引き起こされること、またDPP-4阻害はこのクロストークを制御してEMTプログラムを抑制することが明らかになりました。これらの結果は持続的な尿蛋白を認める糖尿病症例においてDPP-4が腎症進展予防のターゲットとなることを示唆しています。

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