記事のみ印刷する

【採択】解剖学Ⅱ 田中 貴士 助教/公益財団法人中冨健康科学振興財団 令和元年度(第32回)研究助成

研究課題「高齢期における脳損傷後の機能回復に効果的な運動量の検証」
成体の中枢神経は新たな神経回路を構築する能力に乏しいとされてきたが、成体若齢期の中枢神経損傷モデル動物において、限定的ながら神経回路が再編され機能回復が得られることが明らかになってきた。しかし、申請者は最近、高齢期のマウスでは脳損傷後の神経回路の再編が著しく制限され、機能回復が得られないことを見出した。高齢期の身体環境は慢性的に顕著な炎症状態にあり、慢性化した炎症は機能回復を遷延させる。一方で、身体運動は栄養因子の分泌や抗炎症効果を促進させるが、運動量と抗炎症との間には相関関係があるのか、どの程度の運動量が脳損傷後の機能回復に効果的であるのかなどは明らかではない。本研究では、高齢期における脳損傷前後の運動量と運動機能の回復との関係性を明らかにすることで、国民の健康増進に貢献するデータを提供したいと考えている。

公益財団法人中冨健康科学振興財団
新着一覧へ