金沢医科大学概要2016/2017 第2版
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4EDUCATIONAL PHILOSOPHY教育理念Educational Philosophy本学の設立と発展 本学は、1972年学都金沢にほど近い内灘の地に開学いたしました。当時、わが国の医師数は人口10万人当り117人で、先進諸国の150人という数字に比べ、かなり少ない状況でした。大戦後約30年を経て世界経済は順調に伸び、医学の発展や関連産業の隆盛により、CTや自動分析器など大型機器が相次いで導入され、医療も大きな変革の時代を迎え、医師の需要増大をきたしたのでした。国は医師の養成が急務として、1970年から10年間に全国に新しく34校の医育機関の新設を認可し、本学はこの時の1校として開学いたしました。わが国の医育機関の数はその時点で46校から80校へと大きく増加し、それから40数年を経て、わが国の医師数は人口10万人当り244.9人(厚労省、2014年)と当初の予測を超えて増加へと進みました。 医師の必要数は、医療、研究、教育面での需要増によって国際的にも格段に増加しているとはいえ、現在のわが国の年間8,600人の新医師が誕生している状況は、将来に向けて医師過剰の事態をきたすことも懸念され、数ではなく社会の要請に適合した質の高い医師を育成することが重要と考えられます。本学では、そのような社会的要請に沿ったレベルの高い医療人の育成を目指し、1982年に大学院医学研究科を、1973年に附属看護学校を設置、1988年には看護専門学校に、2007年には看護学部看護学科に昇格、2015年に大学院看護学研究科を設置して内容の充実を進めて参りました。良き医療のプロフェッショナルを育成 現代の医療は、サイエンスとしての「医学」、それを基盤とする「医術」、そして仁愛の心とも表現される「医の心」の三つの柱によって支えられています。本学は開学以来これらの三本柱を兼ね備えた医療のプロフェッショナルの育成に力を注いでおりますが、このうち「医の心」は、講義によって教える、あるいは教えられるという性質のものではありません。「心の教育」は、病める人の苦しみ、そして死の悲しみに実際に接してはじめて身近なものとして感じられるものであり、とくに医師にはそれを受けとめることができる大らかでかつ強靱な精神力が要求されます。本学ではそのような理念のもとに、「体験学習」を重視した医学教育システムを導入し、実際の医療現場で役立たせることができる「レジリエンス(resilience、強靭さ)」を身に付けた医療人の育成に努力しております。 医学部における、6年間の学士課程のDiploma Policy(卒業証書授与方針)は、卒業の時点でのアウトカム評価として、一般教養を身につけることにはじまり、「医師としてのプロフェッショナリズムの基盤」が形成されていることが要求され、それを満たした者に卒業証書が与えられます。第1学年から第4学年の医学専門科目の学習では、従来の各専門科目別の縦割りのカリキュラムを廃し、学生オリエンテッドの専門科目のユニット構成による「統合型カリキュラム」を導入しております。実地体験学習を重視し、「臨床実習前教育」や「早期臨床体験実習」の体験から医療のあり方について考え、モチベーションを高めます。第4学年修了の時点で行われる「共用試験」は、全国医学部共通の形で行われ、第5・第6学年に進級して「スチューデント・ドクター」として患者に直接接することが許されるた人間性豊かな良き医療プロフェッショナルの育成Prof. Emer. Shigeki Takashima, M.D., Ph.D.Prof. Tsugiyasu Kanda, M.D., Ph.D.理事長 髙島 茂樹学 長 神田 享勉

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