bulletin2020_1
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10SCHOOL OF MEDICINEこれらの目標を達成するために「基礎教育科目群」と「専門準備科目群」を準備し、「基礎教育科目群」には次のようなカリキュラムを編成する。テュートリアル形式のグループ討論の中で学生自ら問題を発見し考え解決する能力を養う科目や、コミュニケーション能力を高め、学術文献を執筆するトレーニングをする科目、発問する力を養い、自分の考えを論理的に表現することを練習する科目を開講し、学生の創造的思考力の涵養をはかる。また、コンピュータの実習を通して情報の収集および処理能力の基礎を養う科目や、自己の健康・体力に対する認識を深め、生涯にわたって自主的に健康・体力づくりを実践する能力や態度を高める科目を開講する。総合人間科学科目では、様々な分野の授業を通して多様な考え方に接し、豊かな人間性と倫理観を備え、広い視野に立った感性を培う科目として編成する。「専門準備科目群」では、専門科目の修得、ならびに医療・医学研究に必要となるツールの習得に関する基盤形成を目的として、生命科学、統計学、倫理学、心理学、社会医学などを学び、これらを通じて、医学生としての能動的・主体的学習能力を涵養するとともに、生涯学習の基礎作りを行う。 医学英語では、医学・医療に携わる者として、生涯にわたり英語を活用し地域および国際社会で活躍する基礎を作るために、総合的英語運用能力の向上と医学・医療のための英語の習得を目指し、第1学年から第3学年まで開講する。4.基礎医学の専門教育科目は第1学年次後期から第2学年で学習する。「人体の正常構造と機能」を学ぶ科目(解剖学(人体の構造Ⅰ・Ⅱ)、発生学、組織学、生理学(脳・神経・感覚器系、呼吸器系、心臓血管系、腎・尿路系、消化器系、内分泌・生殖器系))と「生体の機能と反応」を学ぶ科目(生化学(代謝と遺伝Ⅰ・Ⅱ)、微生物学、免疫学、薬理学(生体と薬物)、病理学(病態病理))を開講し、試験、実習や態度などを総合的に評価する。5.第3・4学年で臨床医学の専門教育科目を学ぶ。「人体の生理的変化、病態、診断、治療」の科目として、内科学、外科学、小児科学、産科婦人科学や専門医学を臓器別ユニットで学習する。また、地域の家庭を訪問して問診、バイタルチェック、保健指導を行う。社会医学は、履修してきた臨床医学知識を踏まえた上で、疾病と人間を取り巻く種々の社会要因との関係を理解し、個人と社会の健康を考える。内科系ユニットでは連続的に得られる知識を統合し病態の理解を深めるとともに臨床推論の思考体系を修得するための能動学習を導入する。6.第5・6学年では第1~4学年のカリキュラムで修得した知識・技術・態度を活用し基本的臨床能力を修得できる診療参加型臨床実習を実践する。臨床実習は全ての診療科を少人数で回り、臨床の現場で医療スタッフとともに診療の一部に参加しながら、実際の診療の基礎を学ぶ。また地域医療を学ぶため、国内外の医療機関での臨床実習を行う。さらに第6学年には第1~5学年までに修得した基礎医学・臨床医学の知識を整理させるため、臨床および基礎講座がそれぞれの領域の重要な症候・疾患などを講義テーマとして開講する集中講義を開講する。これによって正しい医学知識を習得するとともに、主訴から治療に至る思考過程を訓練し、問題解決能力・応用力に富んだ医師としての素地を培う。7.プロフェッショナリズム教育(医療福祉体験実習、看護体験実習、救急車同乗体験実習)、在宅訪問医療同行実習および見学型臨床実習と様々な体験実習を第1~4学年の各学年に導入する。施設の入所者や患者ならびにコメディカルスタッフ等とのコミュニケーションをとりながら医療チームの役割や医療現場の実際、関係機関との連携について学ぶ。またクリニカル・シミュレーション・センターでのシミュレーション教育や基本的技能を修得できるカリキュラムを配置する。■ 学生の受け入れ方針(Admission Policy) 求める学生像1.医学を学ぶために必要な基礎学力と問題解決能力のある人2.知的好奇心が旺盛で、学ぶことへの集中力、忍耐力、持続性を備えている人3.周囲に対する協調性や思いやりの心をもち、あらゆる面で自己啓発を怠らない人4.建学の精神を理解したうえで本学の伝統を継承し将来発展させる人 入学までに身に付けておくべきもの1.文章の読解力と論述力2.数学的、論理的に思考し表現する能力3.理科の知識、科学的知識に基づいた思考力、判断力と探究心4.英語の読解力・表現力と英語による基礎的なコミュニケーション能力5.特別活動、課外活動等を通じた主体性、協調性、思いやり・奉仕の心 医学部は「生命への畏敬-Reverentia Vitae」を基本理念とし、「倫理に徹した人間性豊かな良医の育成」を建学の精神に掲げ、豊かな知識や技術と思いやりの心とを兼ね備えた臨床医を社会へ送り出すことに努めている。 ディプロマ・ポリシーに掲げる良医の育成を目的に、総合型選抜(AO入試・卒業生子女入試)、学校推薦型選抜(指定校・指定地域)、編入学選抜および一般選抜(前期・後期)を実施し、資質の高い多様な人材の確保を目指している。また入学後の教育では、カリキュラム・ポリシーに基づき、人間性とコミュニケーション能力を高めるための体験実習、論理的・科学的思考能力を養うための少人数教育、主体性を確立するための自主学習を基本とした問題解決型の授業などを実施している。 医学知識と医療技術を極め、医療をとおして社会に貢献したいという志をもち、医学の発展につながる医学研究にも意欲をもつ受験生を金沢医科大学は歓迎する。

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