bulletin2020_1
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64KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY HOSPITAL■ 診療機能別センターの導入 39の診療科と各中央診療部は、院内の連携強化を図るとともに、地域の開業医や医療機関と緊密に連携し、質の高い医療を提供している。循環器センターでは、心疾患に関連する診療科を再編し、小児と成人の2分野による専門チームにより診療科の垣根を越えた切れ目のない治療の提供が行われている。乳腺センターでは、乳癌には集学的治療が重要であることから、各専門診療科と緊密な連携体制を構築し、患者中心の質の高い診療が行われている。また、認知症センターでは認知症をもつ患者本人と家族の視点に立って、地域ぐるみのあたたかいケアとサポートを行い、地域社会での共生と予防に取り組んでいる。女性総合医療センターでは、女性の生涯にわたる健康サポートを目指し、患者一人ひとりのライフステージと現在の健康状態を考慮したオーダーメイド医療が提供されている。救急医療センターでは、1次救急から3次救急までを包括し、24時間体制で重症患者および救急患者に対応できるよう高度な診療体制を整備しており、その他に集学的がん治療センターや、集中治療センター、内視鏡センター等も、それぞれの専門において信頼性の高い機能を有している。■ 最先端診断・治療機器と  ハイテクノロジーシステムの導入 質の高い医療を提供するため、患者に対して最低限の負担で最良の効果を上げられる多くの診断機器や治療機器を積極的に導入している。がんの最先端検査機器であるPET-CTシステムをはじめ、画像診断に革命をもたらしたMRl(磁気共鳴画像診断装置)、2種類の異なるX線エネルギーを同時に照射して画像情報を得るDual-energy CT、患者の放射線被曝と負担を最小限にしたDSA(デジタル血管造影装置)、FPD/CR画像管理システム(コンピュータX線手術支援ロボット「ダビンチ」による腹腔鏡下前立腺全摘除術①執刀医 ②・⑦外回りナース(間接ナース) ③患者 ④第一助手 ⑤器械出しナース(直接ナース) ⑥メディカルエンジニア①②③④⑤⑥⑦■ 再生医療センター 失われた臓器や組織を再生し、機能を回復させる再生医療の臨床・研究拠点である「再生医療センター」が2016年より稼働している。樹状細胞を用いたがん免疫療法や、皮下脂肪組織幹細胞による膝関節をはじめとする骨疾患の再生や、乳房再建など、多臓器への幅広い再生医療と研究を進めている。■ ゲノム医療センター 遺伝性疾患は個々の頻度が低いために希少難病と呼ばれるが、1万を超える疾患が知られており、人口の2~3%が該当する医療分野である。ゲノム医療センターでは、指定難病や小児慢性特定疾患を含むこれらの様々な遺伝性疾患に対し、遺伝学的診察、遺伝カウンセリング、遺伝学的検査(遺伝子検査、染色体構造解析)を一般外来診療として提供するとともに、より精度が高く効率的な遺伝学的診断法の研究開発と臨床応用を実践している。また、2018年からは、がんに対する遺伝学的検査を開始した。画像診断システム)、デジタル画像処理蓄積システム、循環器データ解析センターシステム、腎臓や尿管等の結石を破砕治療する体外衝撃波結石破砕装置、前立腺癌の治療である密封小線源永久刺入治療システム、限局された部位のがん治療などに効果を発揮する定位照射システム(高精度放射線治療システム)、核医学診断システム、その他多くのハイテクノロジーを駆使した最新鋭の設備や機器がフル稼働している。また、2015年5月には手術の正確性および安全性の向上と低侵襲の実現を目的とした手術支援ロボット「ダビンチ」の最新機種を導入し、着実に実績を積み重ねている。

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