bulletin2021_1
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SCHOOLOFMEDICINE  入学までに身につけておくべきもの10科学、小児科学、産科婦人科学や専門医学を臓器別ユニットで学修する。得られる知識を統合し病態の理解を深めるとともに、臨床推論の思考体系を修得するための能動学習を導入する。 診療参加型臨床実習入門では、学生は、臨床推論に重要な症候学を臨床系の教授によるMeet the Professorを中心に学び、基本的な臨床能力を模擬患者さんとの医療面接を含めたシミュレーション教育プログラムにより身につけ、診療参加型臨床実習(CCS)に備える。 医学の基本的知識はコンピュータを用いた共用試験医学系客観的能力試験(CBT)で、さらに、臨床実習開始に必要な基本的な臨床能力は、共用試験医学系臨床実習前客観的臨床能力試験(Pre-CC OSCE)で評価する。Ⅳ. 患者中心・チーム医療の実践力とコミュニケーション能力の育成 Pre-CC OSCE合格後、実際の医療現場で医療スタッフの一員として学ぶ診療参加型臨床実習(CCS)を主体に、医療の実践力を身につける。第1学年で養った情報の検索・収集・処理能力を、臨床実習においてEvidence-based Clinical Practiceに応用できるようにするために、Evidence-based Medicine(EBM)の実践能力カリキュラムを組み入れる。さらに第6学年には、第1〜5学年までに修得した基礎医学・臨床医学の知識を整理させるために、臨床および基礎講座がそれぞれの領域の重要な症候・疾患などを講義テーマとする集中講義を開講する。これによって正しい医学知識を習得するとともに、主訴から治療に至る思考過程を訓練し、問題解決能力・応用力に富んだ医師としての素地を培う。 第6学年で、共用試験医学系診療参加型臨床実習後客観的臨床能力試験(Post-CC OSCE)により、CCSで身につけた知識・技能レベルを確認し、卒後に初期臨床研修を行えることを担保する。Ⅴ. 地域医療・社会貢献・国際貢献力の養成 地域および国際社会で活躍する土台を作るために、低学年での医学英語により、総合的英語運用能力と医学・医療のための英語の習得とともに、異文化や多様性を認め、理解・尊重する態度の修得を目指す。在日外国人に対する医療現場を想定し、ネイティブ・スピーカーを模擬患者とする医療面接の実習を行う。 医学・医療と社会については、履修してきた臨床医学知識を踏まえた上で、疾病と人間を取り巻く種々の社会要因との関係を理解し、個人と社会の健康について学ぶ。在宅医療を学ぶために、地域の家庭を訪問して、問診・バイタルチェック・保健指導を行う。 金沢医科大学氷見市民病院での臨床実習では、地域医療の実践力を身につけるために、院内での実習の他に、地域医療学が主体となる在宅診療の実習を行う。 国際医療を含めた地域医療の実践力を養うため、国内外の医療機関での臨床実習の機会を設ける。Ⅵ. 科学的態度・探究心の涵養 科学的思考力や判断力は、第1学年の「医学教育準備科目群」で基礎力を身につけ、第1、2学年の基礎医学、第2学年以降での臨床医学のなかで発展させる。医学統計学や第3、4学年でのEvidence-based Clinical Practiceと進み、臨床実習の場でEBMを実践できる能力を涵養する。 医学生や医師は研究マインドと研究実践能力が求められる。第1〜3学年では、根拠に基づいて考えることの助けとなるツールや技術、討論や調査を通じた問題解決能力、プレゼンテーション(口頭発表)技術、論文作成などを学修し、上級学年および卒後の医学研究の土台作りを行う。さらに、医学研究の重要性を理解し実践するための基礎的能力、分析的・批判的思考、科学的手法の原理、医学研究の手法などを学ぶ。1.医学を学ぶために必要な基礎学力と問題解決能力のある人2.知的好奇心が旺盛で、学ぶことへの集中力、忍耐力、持続性を備えている人3.周囲に対する協調性や思いやりの心をもち、あらゆる面で自己啓発を怠らない人4.建学の精神を理解したうえで本学の伝統を継承し将来発展させる人1.文章の読解力と論述力2.数学的、論理的に思考し表現する能力3.理科の知識、科学的知識に基づいた思考力、判断力と探究心4.英語の読解力・表現力と英語による基礎的なコミュニケーション能力5.特別活動、課外活動等を通じた主体性、協調性、思いやり・奉仕の心■ 学生の受け入れ方針(Admission Policy) 医学部は「生命への畏敬−Reverentia Vitae」を基本理念とし、「倫理に徹した人間性豊かな良医の育成」を建学の精神に掲げ、豊かな知識や技術と思いやりの心とを兼ね備えた臨床医を社会へ送り出すことに努めている。 ディプロマ・ポリシーに掲げる良医の育成を目的に、総合型選抜(AO入試・卒業生子女入試)、学校推薦型選抜(指定校・指定地域)、一般選抜(前期・後期)を実施し、資質の高い多様な人材の確保を目指している。また入学後の教育では、カリキュラム・ポリシーに基づき、人間性とコミュニケーション能力を高めるための体験実習、論理的・科学的思考能力を養うための少人数教育、主体性を確立するための自主学習を基本とした問題解決型の授業などを実施している。 医学知識と医療技術を極め、医療をとおして社会に貢献したいという志をもち、医学の発展につながる医学研究にも意欲をもつ受験生を金沢医科大学は歓迎する。 求める学生像

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