金沢医科大学概要2022/2023
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KANAZAWAMEDICAL UNIVERSITYHOSPITAL 61再生医療センター・細胞調製室人工股関節置換術地域の医療機関の医師および歯科医師と本学病院の医師との病診・病病連携を通して地域医療の発展に寄与している。「登録医」は症例検討会、手術・検査手技等の検討会や各種研究会等に参加でき、また、本学の図書館も利用することができる。質の高い医療を提供するため、患者に対して最低限の負担で最良の効果を上げられる多くの診断機器や治療機器を積極的に導入している。がんの最先端検査機器であるPET-CTシステムをはじめ、画像診断に革命をもたらしたMRl(磁気共鳴画像診断装置)、2種類の異なるX線エネルギーを同時に照射して画像情報を得るDual-energy CT、患者の放射線被曝と負担を最小限にしたDSA(デジタル血管造影装置)、FPD/CR画像管理システム(コンピュータX線画像診断システム)、デジタル画像処理蓄積システム、循環器データ解析センターシステム、腎臓や尿管等の結石を破砕治療する体外衝撃波結石破砕装置、前立腺癌の治療である密封小線源永久刺入治療システム、限局された部位のがん治療などに効果を発揮する定位照射システム(高精度放射線治療システム)、核医学診断システム、その他多くのハイテクノロジーを駆使した最新鋭の設備や機器がフル稼働している。また、2015年5月には手術の正確性および安全性の向上と低侵襲の実現を目的とした手術支援ロボット「ダビンチ」の最新機種を導入し、着実に実績を積み重ねている。Kanazawa Medical University Hospital■金沢医科大学病院「登録医」制度■最先端診断・治療機器と  ハイテクノロジーシステムの導入■再生医療センター 失われた臓器や組織を再生し、機能を回復させる再生医療の臨床・研究拠点である「再生医療センター」が2016年より稼働している。樹状細胞を用いたがん免疫療法や、皮下脂肪組織幹細胞による膝関節をはじめとする骨疾患の再生医療や、乳房再建など、多臓器への幅広い再生医療と研究を進めている。■ゲノム医療センター 遺伝性疾患は個々の頻度が低いために希少難病と呼ばれるが、1万を超える疾患が知られており、人口の2〜3%にみられる。ゲノム医療センターでは、指定難病や小児慢性特定疾患を含む様々な遺伝性疾患に対し、遺伝学的診察、遺伝カウンセリング、遺伝学的検査(遺伝子検査、染色体構造解析)を一般外来診療として提供するとともに、より精度が高く効率的な遺伝学的診断法の研究開発と臨床応用を実践している。また、2018年からは、がんに対する遺伝学的検査を開始した。■ 小児高度外科医療センター 本院には北陸で唯一の小児脳神経外科認定医を有する脳神経外科及び小児高難度手術に対応できる小児外科、小児心臓血管外科がある。これらの診療科が一体となり外科対応できる体制を整備すべく、2021年7月に「小児高度外科医療センター」を設置した。 小児外科領域の診療科をセンター化することで、より明確に北陸医療の横のつながりを強化することができ、医療レベルの向上が図れると考えている。■臓器移植・人工臓器 本学病院の腎移植チームは、1975年に全国に先駆けて「腎臓移植」を開始し、2020年5月現在320例(生体腎255例、死体腎65例)の手術を行い優れた成績をおさめている。1984年に厚生省(当時)から地方腎移植センターとして委嘱を受け、北陸全域をカバーする北陸腎移植HLA検査センターを病院内に開設した。当センターでは、(社)日本臓器移植ネットワーク中日本支部(名古屋)とコンピュータ回線で結び、提供される腎臓に適合する受腎希望登録者を即時に検索して迅速に手配できる体制が整えられている。臓器移植は、今後一層重要な医学的課題となるが、これらの関連問題に対応するための準備が進められている。 人工臓器については、基礎的研究・臨床応用が行われ、特に「人工股関節」は日本でも有数の症例数を誇っている。また「人工歯(デンタルインプラント)」等も高い実績をあげている。

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