金沢医科大学概要2022/2023
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被レ召有レ期。(中蘇仙公白レ母曰、某受レ命当レ仙、汝去之後、使ニ我如何存活。一先生曰、明年天下疫疾、庭中井水、簷辺橘樹、可ニ以代一レ養。井水一升、橘葉一枚、可レ療二一人。一(下略)母曰、略)神仙伝、巻九、蘇仙公より76本学橘井園に生る「橘」の葉と実 大学の特徴や強みといった個性を再確認して、あるべき大学像や目指す方向を、学生・教職員が共有し、社会に向けて広く伝えていくため、校章、エンブレム、ロゴマークなどのシンボルを本学のユニバーシティ・アイデンティティとして制定している。そこで母が「そなたが行ってしまった後、わたしにどうして暮らしていけというのかね」というと、蘇仙公は「来年になると天下に疫病が流行するでしょう。その時は、庭の井戸水と軒端の橘の木が暮しの資となるはずです。井戸水一升と橘の葉一枚で一人の病気を治すことができます」といった。 翌年、はたして疫病が流行し、遠近をとわずたくさんの患者がやってきて母に治療を乞うた。そして橘の葉と井戸水を用いて治療をしたところ、治らないものはなかったとのことである。この故事から「橘井(きっせい)」という語が「医師」の意味で用いられるようになった。 本学では万人を癒す良医を育てるという願いと誇りを込めて、この橘の葉が校章に採用されている。校章の由来 本学の校章は「橘」の葉と実を図案化したものである。由来は下記の神仙伝の故事によるもので、これを意訳すると次のようである。 蘇仙公は母の前にひざまずいて、「わたくしは命令を受けて仙人となるはずでございます。それに召されて行く期限もございますので、お別れを申し上げます」といって、母子ともどもにすすり泣き、別れを惜しんだ。校章School Badgeユニバーシティ・アイデンティティ(UI)

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