金沢医科大学概要2022/2023
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79 大学、病院の機能を健全に維持していくためには、ソフト、ハードの両面において先見性のある計画と実行が重要であり、多くの意見を集約して経営計画に基づく中長期キャンパス整備基本計画を作り上げていくことが望まれる。 本学の主要な建物は、1972年の開学、そして1974年の開院に合わせて建設された。しかしその後、国が定める耐震基準や病院施設基準の改正、医学教育における診療参加型臨床実習の導入などから、機能面および建物のリニューアルが必要となり、1989年に「病院増改築計画」の検討が始まった。そして2003年に「病院新館(現・病院1号棟)」が竣工し、創立30周年を記念して供用を開始した。その後、2006年に「病院第二新館(現・病院2号棟)」が竣工し、2009年には「病院別館(現・病院3号棟)」を全面改修した。 2010年には、「金沢医科大学グランドデザイン第1次5カ年計画」の基本構想が発表され、2012年に迎えた創立40周年記念事業の一つとして、病院増改築計画の最終工事である「病院中央棟」、「医学教育棟」の建設が計画された。同時に学習環境整備の一環としてニーズが高くなった建物の建設が優先されることとなり、2011年に「新アナトミーセンター」が、2012年には「レジテントハウス(研修医宿舎)」が竣工した。その後、2014年に、高機能な学習環境の整備拡充を目的に第5・6学年の病院での診療参加型臨床実習の拠点となる「SD医局」、教育研修や実習のサポートなどを行う「クリニカル・シミュレーション・センター」、その他講義室や自習室、臨床研修センターなどで構成された「医学教育棟」が竣工した。そして2015年には、高度な先端医療を研究・提供する大学病院として、再生医療の基礎・臨床研究を開始すべく「再生医療センター」が竣工した。 また、キャンパス内の工事などに伴い駐車場が手狭となっていたが、グラウンドの一部を転用することにより駐車場を増設した。そのグラウンドの代替地として2017年に石川県かほく市高松地内に「高松球技場」を新設した。高松球技場は、人工芝を採用しサッカー場と野球場を併設した多目的グラウンドで、現在は主に課外活動に利用されている。 そして、病院増改築工事の最終工事と位置付けられ、2014年7月から始まった旧病院本館の取壊しに引き続いて建設工事が進められた「病院中央棟」が2017年5月に竣工した。この病院中央棟の供用開始をもって、1989年から続いた病院増改築計画は完了し、金沢医科大学グランドデザイン第1次5カ年計画も無事終了した。 その後、2018年3月には「新クラブハウス」が竣工し、同年4月には病院中央棟の完成まで病院の外来部門として利用してきた医学教育棟の一部を大学部門に改修し、さらに同年12月には「体育館」を耐震改修した。また2020年6月には「職員宿舎3号棟」を全面改修した。 現在、本学では現行の耐震基準を満たしていない建物の耐震化を完了すべく「中長期キャンパス整備基本計画」の検討を進めている。大学の中長期キャンパス整備基本計画 

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