medicine2020
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 第3学年に引き続き、臨床医学の専門教育科目を学びます。 「人体の生理的変化・病態・診断・治療」の科目として、各種の内科学、外科学、専門医学および、小児科学、産科婦人科学を臓器別・分野別ユニットで学習します。 また、地域の家庭を訪問して問診、バイタルチェック、保健指導を行います。 社会医学では、履修してきた臨床医学知識を踏まえた上で、疾病と人間を取り巻く種々の社会要因との関係を理解し、個人と社会の健康を考えます。4月~12月上旬 各診療科において医療チームと行動を共にし、診療の実際を見学します。 チーム医療を間近で経験しながら、基礎医学、臨床医学の系統講義で修得した知識をもとに、診断や治療方針について自分なりに考察することで、診療参加型臨床実習に必要な臨床推論能力を養います。9月上旬~12月下旬 共用試験では、知識の総合的理解度を評価するためにコンピュータを用いて問題の難易度を一定にコントロールした客観試験CBT(Computer Based Testing)と、態度・基本的臨床技能を評価する客観的臨床能力試験OSCE(Objective Structured Clinical Examination)が行われます。 試験結果は、第5・6学年に進級して診療参加型臨床実習を行うことの可否を検討する重要な資料として用いられ、合格者には全国医学部長病院長会議からスチューデント・ドクター認定証が交付され、指導者の立会いのもとに医行為が許可されます。 第5・6学年で実施される診療参加型臨床実習は、臨床現場で学ぶトレーニングです。求められる能力は、各々独立しているわけではなく、入学時から学んだ知識と技術の統合能力です。そのため、学生は受身ではなく、自ら学ぶ能力が要求されます。 診療参加型臨床実習入門では、臨床実習前にすべての科に共通する基本的診療能力と必要な技術を理解し、自ら実践できる能力を身につけることを目的としています。1月中旬、2月上旬1月中旬、2月上旬第5学年公衆衛生学教授Kanazawa Medical University School of Medicine23地域に暮らす方の生活背景を理解し、信頼関係を築く力を身につける臓器別・分野別ユニット講義(臨床医学)〔2〕見学型臨床実習(ローテーション制)共用試験CBT、OSCE診療参加型臨床実習入門Pick up家庭訪問実習橋爪 笙子(三重県出身) × 西条 旨子A.気持ちを想像し、理解する力 A.患者さんとの信頼関係を築く Q . 医師にとって大事なことは?西条  第4学年では学生が内灘地域の家庭を訪問し、住民の健康状態をチェックする家庭訪問実習を行います。患者さんの普段の生活を理解するきっかけとしながら、高齢の方とのコミュニケーションを経験します。橋爪 実習では専門用語を使わないように心掛け、一般の方に分かりやすい言葉を選んで、ゆっくりと話すことを意識しました。ご自宅を訪問するとその方の生活がよく見えます。食生活や家族構成などの情報は、診療をする上で重要です。患者さんの背景を理解しようとすることの大切さを実感しました。西条 学生は実習期間を通して同じ家庭を訪問し、健康診断の結果を検討するなど主治医のような立場で接するため、心構えが変わります。自らの服装や身だしなみを気にかけるようになるなど、学生の変化を見るのは嬉しいですね。橋爪 相手の目にどのように映るかを意識することも、信頼関係を築くために大切です。考えていることや感じていることを想像し、理解する力を身につけたいと思います。AprMayJunAugSepOctNovDecJanFebMarJul4

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