金沢医科大学 医学部案内2021
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卒業後の道研修基幹施設としての特性を生かし、初期研修から研究の道へとスムーズに移行  大学院での研究を選ばれた理由は?   データ収集や基本的な技術の習得、研究デザインの組み立て方など、研究をしていく上で必要なスキルを学びたいと思ったからです。   現在どのような研究に取り組まれていますか。  健康生態医学分野でヒルシュスプルング病について研究しています。ヒルシュスプルング病は肛門側の腸管の神経が生まれつき欠けている疾患です。私は腸管神経形成に必須となる細胞内シグナル伝達経路(神経細胞に発現しているRET受容体シグナル)に関する研究を行っています。臨床の現場と研究の両立は時間の確保が大変ですが、やりがいと充実感を感じる日々を過ごしています。   大学時代の思い出は?  学生と大学が一丸となって卒業試験や医師国家試験合格に取り組んだことが思い出されます。学習環境は抜群でしたし、優しく気にかけてくれた支援室のスタッフにはとても感謝しています。   将来はどのような医師を目指していますか。  知らない病気、見たことのない病気でも診断して治せる医師になりたいと思っています。   医師を志す若者へのメッセージをお願いします。  最近痛感しているのは、良医になるためには、まず成熟した人間になる必要があるということです。勉強だけでなくいろいろな教養を身につけ、相手の気持ちを考えた行動ができる人になってください。未知の病気も診断し治療できる医師になりたい医学研究科 4年次森河 万莉VOICE在学生大学院医学研究科本学は、自立して研究活動を行うのに必要な高度な研究能力と、その基礎となる豊かな学識を養うことを目的とした、大学院医学研究科(博士課程)を設置しています。「生命医科学」の1専攻ですが、〔生体機能形態医学分野〕〔生体制御医学分野〕〔健康生態医学分野〕に大別される3つの分野に47の専門科目が配置され、分野・科目が相互に連携し研究を行うことができるように複数指導体制を導入し、全学的な教育研究体制をとっています。また、社会人の就学に配慮した昼夜開講制を導入し、初期臨床研修2年次からの入学も可能としています。授業料減免制度も実施しています。収容定員は140名で、留学生も多く在籍しており、学際的な賑わいをみせています。大学院医学研究科に4年以上在籍し、所定の授業科目を30単位以上修得し、かつ、必要な研究指導を受け、学位論文の最終試験に合格することにより、博士(医学)の学位が授与されます。多様な医療ニーズに対応―「がんプロ」「認プロ」 大学間連携による共同プロジェクトとして「がん」および「認知症」の専門医を養成する教育コースを設置しています。■ 超少子高齢化地域での先進的がん医療人養成(北信がんプロ)本学、金沢大学、信州大学、富山大学、福井大学、石川県立看護大学の北陸・信州の6大学と同地区のがん診療連携拠点病院が連携したプロジェクトです。最新のエビデンスを基に、希少がんを含むがん患者を臓器横断的に診療し、がん患者の思いに寄り添い、患者・家族の希望をかなえられるような、がん専門医師の養成を目的とします。■ 北陸認知症プロフェッショナル医養成プラン(認プロ)本学、金沢大学、富山大学、福井大学の北陸地区4大学と関連する医療機関等で実施するプロジェクトです。認知症患者の視点に立った視野の広さ、かつ高い品格を有し、認知症医療を担うリーダーとなる専門医師の養成を目的としています。30

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